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超絶冷え冷え体感銭湯ここにあり!(武蔵小山温泉健康ブログ)


夏といえばプール!でも区営のプールってもうほとんど満員電車並み激混み。水温も案外高い。さて最近の酷暑これ完全に危険ゾーンを振り切っている感じ。温暖化というか高温化でしょう。でも本当のところ暑い夏好きです!そんな暑い夏を健康的の乗り越えたい美しさと強さがそなわった貴女にさらなる健康増進プロポーサル!武蔵小山温泉はどこまでも前向き!美への貪欲!美味しいものを食べたい!爆睡したい!そんな方々の最強の味方なのです!そこで武蔵小山温泉の超絶おすすめお風呂!それはなななななんと都内屈指の黒湯天然温泉を水冷式冷却システム(通称チラー)でキンキンに冷やした「天然温泉水風呂」なのです!

今この季節その水風呂しかはいらないというお客さまも多数!完全に18度設定の冷却天然温泉がひえっひえの天然鉱泉になって肌を心を潤してくれるのです。こんな夏は頭からずっぽりはいっちゃいましょう!さらにこの天然鉱泉水風呂!ナノバブル化していて「美肌」は当然の如く、育毛にも効果あり!若旦那が禿げそうで禿げないのかこのためか!さて夏も最中、容赦ないこの息苦しい季節、都会のジャングルの中のオアシス武蔵小山に君臨する武蔵小山温泉でひと時の涼風を感じて見てはいかがでしょうか。皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております!

武蔵小山温泉 若旦那談。

小説 俺の銭湯 第6章 『躁鬱オヤジの決断・黒湯誕生』 (武蔵小山温泉Webパブリッシュメント)


『躁鬱オヤジの決断・黒湯誕生』

「にゃー」
どこからともなく猫の鳴き声がする。いつ頃からだろう。その野良猫が居着いたのは。
冬温かくて夏暑い銭湯の釜場。湯がたぎる釜の上に分厚いヒバの木が乗っかっている、釜の上は季節が少し涼しくなった時は絶好の安息の場所になる。
それは近所の野良猫にとってもそうだ。最初は釜の上にいた誰にも懐かない野良猫が、なぜかオヤジだけに懐いて、そのうち一緒のベッドで寝るようになっていた。
「今日も猫きてるわね」
「誰にもなつかないのにオヤジだけににゃーにゃー言ってるな」
「お父さんは優しいからね」

俺とオフクロ、そしておばあちゃんで円卓を囲んで話していた。するとどちらからともなく、
「お父さんも銭湯も大変だわ」
「このまま銭湯を続けるか、考えないといけないね」
とオフクロとおばあちゃんが話していた。

宿命の陰りは次第に濃くなっているように見えた。
殆どの時間オヤジはベッドの上にいる。
生命力に溢れていた眩しかった光が霞んでいるように見えた。
オヤジはあきらかに病気だ。それも心の病気だ。一般に躁鬱病(そううつびょう)は脳の病気といわれていた。しかし引き金は心の作用にあるようにしか思えない。
それが、肉親の死だったのかもしれない、銭湯の前途に悲観していたのかもしれない。心の作用は一本調子でこれだと決めつけられない複雑極まるものなのだ。
オヤジが潰れたら、銭湯も潰れるだろう。俺にはまだ役不足だったからだ。
清水湯の灯が陰りを増している。そう実感せずにはいられなかった。だが、そこに寝ていたとばかりに思っていたオヤジがひょっこり来て俺たちの前に立った。今までの会話を聞いていたのか、それとも寝てばかりいると思っていたなかで熟考を重ねていたのか。足元にはオヤジだけになついている野良猫も尻尾をたてて寄りそっている。
オヤジがおもむろに口をひらいた。
「一つだけ試したいことがある。それがダメだったら店をたたもう」
決死の最終決断だったのだろう。
改善すると思えない心の病とのシーソーバランスの中で、躁にふれる、鬱にふれる漂うような心の中でたまにニュートラルになるときだけ正常な判断が出来たのだろう。
「店をたたもうって……。急に……。それになんだよ。試したいことって?」
俺が不審げに聞いた。
「温泉を掘る」
一拍おいてどこか地より湧きあがるような響きを含んでいた。

すでに誰も寄せつけない覚悟が滲んでいた。 俺、オフクロ、おばあちゃんは顔を見合わせた。
たまらず俺が一声を発した。
「温泉なんか出るわけねーだろ」
俺は反対した。その瞬間はそう言わざるを得なかった。
「どこにそんな金があるんだよ」
すこし言いよどみそうになりながら、
「品川に温泉がでるなんて聞いたことないぞ」
心臓がへんな動きをした気がした。

オヤジは遠くをみていた。すでにこれ以上の策はない。そう思っているようだった。
一瞬、まだ残る筋肉が盛り上がるように見えた。
「伸るか反るか大博打だ」
振り絞るように言って部屋に戻って行った。そのあとを寄り添うように猫がついていった。 残された俺たちは円卓を挟んで唖然としていた。
「やべえ、完全に躁だ……」

おばあちゃんはおじいちゃんの位牌に手を合わせにいったようだ。
残された俺とおふくろはしばらくその場に佇んでいたがオフクロはどこか予想していたように平然としていた。
「オヤジ、マジで言ってんのかな?」
顔色をみながら聞いてみた。
「あんたになにか残してあげたいのよ」
なにか温かな日射しのようなものを感じない訳でもなかった。
ふっと何かの拍子に思いだすノスタルジックなあれだ。
銭湯の長(ちょう)として、オヤジは躁鬱病という極限状態でも、清水湯のこと、家族のこと、なかんずく長男の俺のことを考えてくれていたんだと思う。
何が残せるのか、清水湯が復活できる最後の切り札は何かを、病のなかでも探し続けていたのだ。

「それにしても出るか出ないかわからない丁半博打のギャンブルなんだなオヤジは……」
若い頃は雀荘経営、馬主と青春を謳歌していたこともあった。
「あー!もー!わかった!俺もオヤジの勝負にかけてみるわ」
「そうよ清水湯はおとうさんの舟なんだから……」
「そうだな沈む時も一緒、浮かぶ時も一緒、それにしても本当に正気なんだか……」

俺は店をたたんだ後を想像しながら、己の行く末を案じた。

幾日が過ぎると、裏の駐車場の一角に小さな櫓(やぐら)がぽつんと建ち上がった。俺たちにはほとんど相談がないまま、独断で掘削工事が開始されたのだ。土を叩く音が木霊(こだま)している。
打ち抜き法という掘削法は地道にビットを土中に打ちつけて掘り進んでいく。地層の状態を随時見ながら出来る利点がある。その横にじっと佇んでいるオヤジはこれから起こる全ての責任をとる。そんな覚悟の青白い炎が肩越しから見えるようだった。最初、反対していた俺も気がついたら掘削機の横で固唾を飲みながらオヤジと一緒に佇んでいた。やがて、朝から晩まで掘り続けてくれる井戸掘り名人とも仲良くなっていた。
「若旦那、心配するのはわかるけど、今回はオヤジさんの当て推量(あてずっぽう)が当たるかもよ。良い予兆が出てる」
温泉の水脈に当たりそうだと教えてくれた。

砂利の踏む音が近づいてきた。南の陽光を浴びた琥珀色の液体を捧げるように名人がもってきてくれた。
「若旦那、いいのが出たよ」
はたして温泉掘削は成功した。

隣りにいたオヤジも目を輝かせていた。俺はまだ、その時は実感がなかった。だが湯舟に、その輝く琥珀色の天然温泉を注ぎ、オヤジと一緒に浸(ひた)った。
「これだな」
オヤジが昔と変わらぬ笑顔を俺に向けた。
何だか久しぶりに見る、ガキの頃そばにいたオヤジを感じた。それはいつもの変わらぬ元気なオヤジを彷彿とさせる笑顔だった。
品川区で初めての天然温泉。それはオヤジの苦渋の決断から生まれたものだった。
その苦渋の決断は大成功裡に終えることができた。
「温泉を掘る。そしてそれがダメなら銭湯をやめる」
その伸るか反るかの勝負にオヤジは勝った。
だが今、思いだしてもあの時の笑顔は最後の満面の笑顔だったのかもしれない。
オヤジの躁鬱の病歴からするとまだこの時は体重もそのままだった。食欲も落ちていたがそこそこあった。
ただ寝ることが多かった。時おりその反対でまったく寝れずに苦しそうにしていた。だが見た目は健常者と変わらなかった。
清水湯はこのただ琥珀色をした天然温泉のために蘇ることになる。
全ては鬱鬱(うつうつ)した捉えどころのない苦しい病状のなか、次の世代に何を残せるか考えに考えたギリギリの決断だったのだろう。
その後は売り上げは三倍にも急回復し、閑古鳥しかいなかった銭湯は断崖絶壁から九死に一生を得たのである。
それは「ピンチはチャンス」を自身の病の中から体現したものだった。 これからも銭湯を続けることができる。俺は喜びに浸ってた。オヤジが掘り当てた温泉は「黒湯温泉」と名付けた。
そんな清水湯は、表面的には淡い幸福感に包まれていたのだが、空には、まだ苦難の道を進めとばかりに暗雲がたちこめはじめていることを、その時は誰も予見することはできなかった。

若旦那太郎著  第7章『地主からのラブレター』につづく

アイラブキモ!アイラブにしむら!(武蔵小山温泉グルメ散歩)


キモキモキモキモアイラブキモ♪キモキモキモキモアイラブキモ♪キモキモキモキモアイラブキモ♪かむろ坂をくだりながら、林試の森の脇の急坂、石古坂をくだりながらついこの「キモキモキモキモアイラブキモ♪」を口ずさみながらウキウキ気分でつい「ウキウキキモキモキモキモアイラブキモ♪」をハミングしちゃうんじゃないでしょうか。そうそれが名店「にしむら」さんのじつはメイン食材キモちゃんなのであります。みんな大好き!うなぎはもちろん美味い!でもうなぎには2つの顔があるのです。それが滋養強壮!な、な、なんとうなぎの肝にはビタミンAが超豊富!

目がよく見える!鉄分ハンパない!貧血にいい!DHA・EPAも豊富!美容、健康維持に最高!コリンも豊富、神経伝達物質!記憶や痴呆にもイイらしい!ボケない美味しく頭よくなる!なんだか最高ウナレバラバー続出アイラブキモ!これから自然とうなぎを食べたくなってしまう夏本番!地元キモラバーのぼくもなかなかタイミングがあわないと食べることも見ることもできない逸品!石古坂をいったりきたりする若旦那がウキウキキモキモキモキモアイラブキモ♪を呪文のように口ずさんでいてもこわがらないでね~♪(笑)

武蔵小山温泉グルメ散歩

にしむら

03-3713-6548

東京都目黒区下目黒3-13-10

[店頭販売]
10:00~19:00頃
[店内お食事]
11:00~14:00

定休日 水曜日

清水湯からのアクセス

健康銭湯ここにあり。(武蔵小山温泉健康ブログ)


二の腕カッチカチの若旦那です。毎晩お風呂掃除が終わってから夫婦水入らずでサウナにはいります。どうせ汗をかくなら腕立て100本、ツイスト腹筋100本を日課にしているのです。お蔭様で齢(よわい)50歳にして『二の腕』パッキパキでございます。さてサウナの効能で主なものをまとめてみたいと思います。

①発汗作用

②血行促進

③睡眠促進

④疲労回復

⑤免疫力向上

などなど特に血管収縮そして緩和による循環器能向上はフレッシュな血液を身体の隅々まで行き渡らせることができ、大量の発汗作用により疲労物質を排泄し血行促進、適度な疲労感から睡眠促進、食欲促進、最終定期には夫婦円満、家庭円満とサウナ効果には枚挙に暇がない状態に陥ってしまうのです。

毎日サウナ、毎日天然温泉!これがクレージーな夏の太陽に打ち勝つ最強にして最高の健康法なのです。

武蔵小山温泉 健康運動指導士 若旦那談。

小説 俺の銭湯 第5章!『日雇い人足の日々』武蔵小山温泉Webパブリッシング


『日雇い人足の日々』

 

人は平等だ。とくに時間の流れはすべからく平等だ。

そして時の流れるのは早い。

光陰矢のごとしだ。

 

日は昇り沈む、無為(むい)な日々をすごしてしまった。その間も銭湯の灯は消えそうな陽炎(かげろう)を時間の流れという水面(みなも)に明滅しながら映しだしていた。

絶えず耳に木霊(こだま)する釜の扉を開け閉めする音。

うっすら灯った蛍光灯の光が照らし出す煤けた「火袋」は神聖な場所だ。パチパチと燃え盛る炎の色がひとつの生命体のようであった。その光が黒く煤けた壁に反射する。そこは昔から「畏敬の念」を感じる場所でもあった。

 

大きな雲が俺の頭の上をすっぽり覆っているようだった。

俺の心に暗雲がたちこめていた。

「ガチャン、ギー、ゴソゴソ、ギー、ガチャン」

今も、オヤジが釜に薪をくべる音がする。銭湯は相変わらず閑古鳥が泣いている。

そんな銭湯には、火袋と同じように暗くて幽々とした部屋があった。漆喰が塗り込められた殺風景な寒々とした裸電灯しかない約三畳の部屋にはオヤジの書庫部屋で、ほとんど開かずの間だった。四面の本棚にはびっしり本が詰め込まれていた。

俺は一八歳になっていた。その頃の俺は一時、暦のない生活をしていた。そして自問自答していた。なぜなら、俺はそれまでの三年間で二つの高校に行き、その二つとも退学したからだ。楽しい時間の記憶はなぜかなく、ただ無駄に過ぎ去った時間だけが心に重く圧(の)しかかっていた。結果としてオヤジとオフクロを裏切り、中卒のプー太郎になって俺は初めて、何もない自分に気がついた。そして、何かに取り憑かれたように書庫に引きこもり、オヤジの本を読み漁るようになっていた。

まだ銭湯の景気がよかった時代に育ったオヤジは、俺と違って大学出のボンボンだった。

そんなオヤジが読み貯めていた古典文学、史書、詩集、西洋文学、それに奥底に隠されていた春画などは、俺に「太郎、小さいことにクヨクヨすんな」と語りかけてくれるようだった。

 

世の中には「座右の書」というのがあるらしい。その頃、少し離れて俺を見守ってくれていたオヤジが、さらに一冊の本を読んでみろと差し出してきた。

それはデュマの『巌窟王』だった。

「なんだよこれは」

読み進んでいくうちに夢中になってしまった。そしてどんどん心の暗雲が払われていくような気がした。なんだか自分がとても小さな存在に感じてきた。

「なんでこの本なんだろう」

じつはそれはオヤジの座右の書だった。

「前に進むしかない。行動あるのみだ」

マジで思った。

そして裸電灯しかない陰鬱とした部屋から俺は出た。

その日は心ゆくまで湯舟につかった。俺を育ててくれた銭湯の湯が心を洗うように。

いつでも俺を信じて立ち上がるのを待っていてくれたオヤジに感謝し、オフクロに感謝し、何があっても味方になってくれるおじいちゃん、おばあちゃんの優しい微笑みを噛みしめながら、俺は家を出た。オフクロがそっと手渡してくれた三万円を握りしめて。そして土方(どかた)の日雇いで幾日も穴ばかり掘り続けた。道路の標識立てや白線引きもした。冬場は吹きすさぶ浜風がロジスティックの倉庫の荷捌き場を足元から冷やし、夏は二〇フィート、四〇フィートのコンテナ内の蒸風呂のなか荷捌きをする港湾の肉体労働に従事した。他に古紙回収のちり紙交換、宅配業、テレホンアポインター、場末の飲食店での皿洗い……。職を転々としながら体力がもつ限りなんでもやった。

海苔弁を二つ食べるのが最高の贅沢だった。カップラーメンが買えず袋麺を丼にいれて湯を注いで皿でふたをすると普通に食べれることに気がついた。たまに近くの銭湯が本当に気持ちよく、銭湯のよさをあらためて実感した。その間に、俺は大学入学資格検定に挑戦し合格した。

二年が経とうとしていた。

ギラつく夏の港湾のロジスティック倉庫。この時も昼と夜の二足の草鞋で飯を食っていた。

不法労働者の中国人のボーが話しかけてきた。

「太郎。いつまでこんな仕事やってるのよ?」

ボーは入国一〇年目だ。城南島の倉庫では現場リーダー的な存在だ。だが不法入国扱いではないが不法労働は否めない。なぜなら労働監察局が視察にくると日本人の俺が即席の現場リーダーになるからだ。

受け答えは俺がする。フォークリフトの上役がいて目配せで当意即妙で受け答える。その時だけ普段しないヘルメットをかぶる。

中国人のほかに台湾人。あまり日本人はしない仕事だ。いわゆる人足といわれる仕事内容はかなり過酷な仕事のひとつと言えた。

「いつまでもこんな仕事してたらダメあるよ。おいらもお金たまったしそろそろ中国に帰るよ」

川崎の場末のステーキ屋のご主人がいい人で、雨露をしのぐだけならという約束で倉庫兼用の汚い部屋を無料で貸してくれた。

昼は港湾労働、夜はステーキ屋。

城南島の倉庫街は空が高い。

すぐ目の前は羽田空港が俺とは無関係の世界との架け橋として広がっていた。

ほぼ定間隔で飛行機の離発着の音が南風にのって聞こえる。

そんな騒音はふっと銭湯の郷愁を呼び起こす音だった。

それは丸ノコの角材を切る音だ。

「ああ、ボーお前もそろそろ帰るのか」

「そーあるよ、家族がまってるからな。やっとお金もたまったし、それにここの仕出し弁当まずくてやってらんないあるよ」

頬と鰓のはった黒く垢焼けたボーの顔はどこか小さい躯体のわりに大きな大陸の風を連想させる何かがあった。ボーは中国大陸の東北出身だった。

この倉庫では力の強い俺と口ばかりのボーが組んでコンテナ内で作業することが多かった。ただボーの言うとおり荷捌きをすると不思議と完璧に荷物を積み上げることができた。

港湾労働でひとつ荷物が積みこめません、ドライバーさん持って行ってもらえますか?は通じない。コンテナは海外に広がる海を駆けめぐる大型コンテナ船に載せるのだから。無駄のない完璧な荷積作業を求められる。もし入らないのなら全部出して一から入れ直しになる。

フォークマンにどやされながらも笑顔を忘れないそして常に先の仕事の段取りを考える、異国の地で逞しくいきているこの中国人はどこか憎めない愛嬌をかんじる小男だったが、むしろ俺にはないものをもっているようにも感じた。

この過酷な仕事に従事している外国人はむしろ日本人より根性があった。

相変わらず青空が広がっている。時おり申し訳なさげに小さい綿雲が頭上を流れていく。

そろそろ休憩時間も終わりそうだ。

ふっと青空に浮かぶ銭湯の煙突が脳裏に広がってきた。

「そうだな。そろそろかな」

「家出してるのか、太郎?」

「馬鹿野郎。家を出てると言え!」

「ははは。ごめんごめん」

「ま、大して変わらないけどな」

「家はなにしてる?」

「ああ、銭湯ってしってるか?」

「知ってる行かないけど。風呂は事務所のシャワーですませてる。節約にもなるし」

「銭湯はいいぞ。一度行ってみろよ」

ボーは俺の目を覗(のぞ)いた。

そしてニコッと笑った。

結して労働環境がいい訳ではない職種だ。保障もない。体を壊す港湾労働者も多い中、ただの日雇い労働者としてこの仕事を選んだのには訳があった。

とにかく厳しい世界で。そして何処よりも底辺の世界で鈍(なまくら)な自分を変えるためだった。

心と体に筋肉がついてきた時だった。

 

 

オヤジから突然電話がかかってきた。

「おじいちゃんが危篤だ、すぐに帰ってこい」

武蔵小山の駅に降り立った。

改札をでて東口の階段を上ると立ち食いそば屋の黄色い看板テントとが目に入ってくる。数件隣の鳥勇からは相変わらず香しい煙を吐きだしていた。昔、闇市だったりゅえるの路地裏横丁を抜けると一番通りにでる。 久しぶりの武蔵小山はなんだかすこし空気が変わっているように感じた。この町は地味だが確実に変わっていっている。日焼けして精悍になった俺の顔を見て、オヤジはすこしだけ頬がゆるんだように見えた。

「頑張ってるな」

「ああ」

心なしかすこし痩せたかなと思った。

早速、のぼり馴れた急勾配の階段を駆け上がって居間の奥で寝ているおじいちゃんの枕元に佇んだ。

擦りガラスの窓から乱反射した西日の光がおじいちゃんを包みこんでいた。

すこし喘いだ呼吸音が聞こえた。

オヤジと同じでたばこ好きなおじいちゃんは末期の肺ガンに罹っていた。

 

その晩、誰からも愛されていたおじいちゃんは、俺たち家族に見守られながら天に昇っていった。人はどこから来てどこへ旅立つのだろう。いつも優しかったおじいちゃんがいなくなって屋台骨のひとつが欠けて清水湯の灯火が少し暗くなってしまったように感じた。

 

よせてはかえす波のように人は生まれそして死にゆくのか……。優しいおじいちゃんはいつでも瞼を閉じれば蘇ってくる。俺たちの心の中では永遠に生き続けているのだ。

 

オヤジはぼそっと誰に言うでもなくつぶやいた。

「おじいちゃんにはいつも敵(かな)わなかった」 普段、オヤジがおじいちゃんのことを語ることはなかった。いつもボロボロのグンゼのパンツをはいていたおじいちゃんしか見てなかった俺も、おじいちゃんの偉大さに初めて気がついた。

それは、この二年間底辺の仕事を繰り返す中、長年銭湯という灯を守り伝えていくことがいかに大変かを痛切に感じていたからだった。

家を飛び出たことは無駄ではなかったようだ。

夫婦になってお互い皺だらけで何十年も経つのに、おばあちゃんはいつまでもポロポロ泣いていた。なんだか皺くちゃの夫婦愛を見たような気がした。孫にはやさしかったおじいちゃんを思うと、俺も涙がとまらなかった……。

 

俺はそのまま家に戻ることになった。清水湯の黎明期から衰退期までずっと支えてきてくれたおじいちゃんがいなくなってから、銭湯の灯の陰りがさらに深くなってきたのを境に少しオヤジに変化が現れはじめた。

 

「最近、オヤジ、寝てることが多くなったね」

バブルの真っただ中だった。俺は友人の誘いで会社勤めをした。当然、営業職だ。当時は中卒でも、会社員になれる時代だった。会社から帰って見ることが多くなったのは、オヤジがベッドの上で寝ている姿だった。

オフクロが心配していた。

「最近、部屋にこもりがちなの」

そして「感情の起伏が大きくなった気がする」

前から怒ると怖いし、昼寝ぐらいはするから気にも留めなかったが、あきらかに顔に生彩がなくなっているのがわかった。

俺がいなかった二年の間にすこしオヤジも歳をとってしまったのか。

筋骨隆々、いつも怖くて強いだけのオヤジが、己の宿命と向き合う時が本格的に来ていたのだ。

 

それは、俺たち家族の宿命でもあり、また戦いでもあった。

 

苦難に飛び込むか逃げるかは自分次第だった。

 

天候に左右されることはある。心に不安という雲が立ちこめることもある。しかし、心に左右されず心を左右する強さがあれば負けることはない。俺は何の心配もなかった。俺はオヤジの血を受け継いでいる。諸刃の剣だったが俺は自分の強さを信じた。

 

オヤジの部屋に入っていった。、

ベッドの上で横たわっていた。

「オヤジ最近調子悪いのか?」

すこしバツの悪い顔をした。

「ああ、実は若い頃から兆候はあったんだ。誰にもいってなかったが」

オヤジは若い頃の野球の鍛錬で今までやってこれたと言った。

おじいちゃんもおばあちゃんも知らなかった。オフクロには話していた。

「オヤジ。なんだか、わからないけど辛いのか?」

「がはは、お前みたいな、バカな能天気にはわからねえよ」

虚勢を張ってみせた。

息子の俺にはあくまでも強いオヤジでいたいのか、強がるのがわかった。

「あー、わかりたくもねーよ、だからバカでよかったと思うよ」

どこか隠し続けられるならそのままにしておいてほしい。そんな顔もしている。

「おやじ、風呂の掃除は俺が全部するから楽しいことだけしてろよ」

俺が言うと

「ばかやろう、じじいあつかいするんじゃねえ」

オヤジは強がった。

「太郎、お前もサラリーマンが忙しいんだろ、無理すんな」

俺は一言、

「俺はオヤジの強いところだけを、もらっているから大丈夫だよ」

そして「必ずよくなるから心配するな、オヤジ」と言って部屋を後にした。

寝ることが多くなったとはいえ、まだ強いオヤジがそこにいた。

二つの高校を辞めた俺の学歴は中卒だ。オヤジは俺に一度でも「勉強しろ」と言ったことはなかった。おそらく言われてもしなかったと思うが、その意味が最近になってよくわかる。

「バカでいい、ただ強くあれ、ただ負けない男であれ」

オヤジはきっとそう思っていたに違いない。

 

躁鬱病が己の宿命でなくしてなんであろう。

自分の努力だけでは如何ともすることができない過酷で無情な真理があることにオヤジは気が付いていたのだ。

そんな宿命を自分の子供にまで受け継がせたくない。

それが親の心だと思う。

バカでも心は強い一匹の男に俺はまんまと育てあげられていた。

 

毎日の風呂の掃除。

毎日の薪仕事。

毎日の会社勤め。

 

日々の挑戦をすることこそが、今、俺にできるたった一つのオヤジへの孝行だとばかりに、充実した毎日を送っていた。だが一方オヤジは足の皮が少しずつ厚くなっていくように、この躁鬱病という病気は頑迷の度を増(ま)していった。

そんな俺は相変わらずの能天気さで、そのうち、またオヤジは調子がよくなると信じて疑わなかった。だがその後、宿命の荒波はオヤジを苦しめることになる。

 

木の葉のように揺れている清水湯と同じように、オヤジの運命もまさに木の葉のように人生の波に翻弄されることになるのだ。

若旦那太郎著  第6章『躁鬱オヤジの決断・黒湯誕生』につづく

季節限定トマトそば!(武蔵小山温泉グルメ散歩)


この季節になるとはじまる名店「ちりん」さんのトマトそば。これじつにグッド!野菜大好き若旦那。そして新鮮な刺身大好き若旦那。若さの源は旬の食べ物。そして天然温泉!これ基本。ああ日本人でよかった~!すこし濃いめのつけだれに蕎麦のさきっちょを浸し、口元にちかづけた瞬間いっきにバキューム食いで啜り上げる。この日本男児的蕎麦食いがちょうかっくいいのです。

となりの妻もうっとり(笑)そしていつものうまうま刺身、本当は日本酒OR生ビールをかっ食らいたいけど若旦那のポリシー「風呂掃除が終わるまでアルコールはのまない」を守って、純粋に蕎麦食いに徹するのです。いい日そば食い今日もいい週末になりそうです。

武蔵小山温泉 フロサーファー タロリン

ちりん 武蔵小山

03-3719-3778

東京都品川区小山3-5-20

【月~木】
18:00~25:00
【金~日 祝日】
12:00~15:00(L.O)
18:00~25:00

 

▼清水湯からのアクセス

永久不滅銭湯!(武蔵小山温泉雑談系ブログ)


永久不滅ポイントもしたいな~。いままでいただいた武蔵小山温泉オリジナルポイントカード大切に保管しています。ここで10年分の抽選会をしてもそれこそ永久不滅系のポイントだと思います。誰もしないから楽しいのです。最近武蔵小山温泉インスパイア銭湯もではじめているとか(笑)大きな声じゃいえないけどひしひしと感じています。そんな銭湯オピニオン武蔵小山温泉はある意味永久不滅銭湯といえるのではないでしょうか。

常に進取の心構えで常に基本に忠実。心あたたまる銭湯だから笑顔が花開く銭湯なのでしょう!そんな武蔵小山温泉は先頭きって前進を続けていくことでしょう。

武蔵小山温泉 オフロニスト若旦那談。

小説 俺の銭湯 第四章 『因果応報』(武蔵小山温泉Webパブリッシュメント)


『因果応報』

 

「たろう――く――ん」

一日が黄昏、夕飯を食べ終わる頃、タカナミとカツがやってくる。

「おーあがれよ」

窓から顔を覗かせて言った。

「おじゃましまーす」

案外、礼儀正しい。

俺にではなくオヤジとオフクロにだ。

 

タカナミとカツはケンカの相棒でもある一面、毎晩、わが清水湯で暴れ回った汗を一緒に流す風呂友でもあった。どうやら銭湯にはその日の贖(しょく)罪を湯煙とともに流してしまう効能もあるようだ。湯舟につかりながらタカナミが言った。

どこか遠くを見ている。

「来年は卒業だな」

タカナミは工業高校が志望校だ。町工場の息子だった。

 

風呂の縁に座っているカツは髪型が気になるのかしきりに手のひらで撫でつけながら、

「ああ、そう」

気のない返事をした。

カツは親友会の通りに面した魚屋が実家だ。寿司の板前になる夢をもっていた。

俺は立ち上がり二人に向き直った。

「楽しい高校時代がまってるぜ」

俺が言うと二人とも頷いた。

「っていうかお前は高校行くのかよ?」

「ああ行くぜ!」

2人とも不思議そうにして顔を見合わせた。

これ以上話しても栓なしのように。

なぜか話題をかえられた。

「ともかくオヤジさんには感謝しなくちゃな」

タカナミが言い、カツが頷いた。

毎晩、タダで銭湯にはいることに恩を感じていたようだ。

きっとタカナミとカツとは腐れ縁となってこれからもつづいていくのだろう。

そのまま熱い湯舟に何分息を止められるか頭を沈めた。

 

 

翌朝、

味噌汁の匂いと朝日が充満した居間。

オフクロが炊いてくれた新潟のほっくほくした美味しいご飯に納豆をかけて、かきこんだ

一足先に朝餉(あさげ)をすませて、鏡の前で顔を覗いた。寝る前に氷嚢(ひょうのう)で冷やしたからほとんど腫れは引いていた。

オヤジも朝餉をすませて洗面台の鏡の近くにやってきた。そして紫煙を美味そうに吐き出しながら言った。

「太郎、今日もちゃんと学校行けよ!」

ちらっと一瞥(いちべつ)して再び見た鏡の中の俺は伸びきったパンチパーマに眉毛がなかった。

「行くに決まってんだろ。俺の給食をカツに食べられちゃうじゃねーか」

それまで中学で勉強をした記憶がない。学校は好きだった。とくに給食が好きだった。

薄い学生鞄を小脇に挟みながら一言投げかけた。

「オヤジ、オフクロ、俺、高校行くぜ!」

オヤジもオフクロも目をきょとんとさせて、一瞬、理解不能な顔をした。

昨晩、風呂の掃除が終わった後、煙突脇にある物干台に氷嚢で冷やしながら寝そべって夜空の星を見ていて、ふと思った。

「もうすぐ中学も卒業だ」

そして「このままじゃいけねえ」

バカはバカなりに、普段は見ても何も感じない規則正しい星の運行リズムに、この時は何かを感じたのかもしれない。

学校に着くなり担任に意気揚々と話した。

「先生、俺、高校行くぜ!」

「……」

しばらく無言の後、

「川越、お前何言ってんだ」

なぜか怒っているようだ。

「今さら、お前の行ける高校はないぞ」

無情な答えが返ってきた。

子供の頃お習字を三ヵ月ほどしていたおかげで自慢じゃないが字は得意だった。中間テスト、期末テストには荘厳に筆圧強くそこらじゅうはみ出して名前だけは書いて提出していた。

能天気な俺はその時、初めて自分の置かれている立場を理解した。そして心の中でつぶやいた。

「これが因果か……!」

当時から偏差値偏重教育がもて囃(はや)されていた。偏差値は五〇を中心に上は七五、下は二五のどこに自分がいるか一目でわかる優れたモノサシではあった。ただこの数値化されたモノサシで人を篩(ふるい)分(わ)けしているとも言えた。

俺の偏差値は二八だった。最低レベルをやや免れていた。

名前が書けると偏差値+三だと気がついた。

 

俺は猛烈に勉強を始めた。そんなある日のこと。

芸は身を助ける

世の中にはこんな言葉があるのをご存知だろうか。俺は子供の頃から水泳が得意だった。なんの気なしに出た水泳大会でそこそこの成績を収めるのを見た近くの私立高校が、推薦で入れてくれたのである。

「このままじゃいけない」と心を入れ替えた気になっていただけの俺は、なんとなく運がいいな、努力しなくてもやっていけるんじゃないかなどとまたもや調子に乗りかけてしまった。始めようとした勉強もやめた。坊主頭だらけの線香くさい高校に行くことになるが、その後、俺は人生簡単にはいかないことを知ることになるのである。

若旦那太郎 第五章 『日雇い人足の日々』に続く。

ムサコソウルフード!(武蔵小山温泉グルメ散歩)


ムサコのソウルフード・・・。自慢亭のやきそば・・・。珍宝のやきそば・・・。テニコ(荏原3公園)脇のたこ焼き屋台・・・。その前の肉屋の松井さんの焼肉弁当・・・。アライアンス幼稚園のならびにあったラーメン屋のあんかけラーメン・・・。駅前の緑茶アイス・・・・。ちかくにあった目黒のさんまのみたらし団子・・・。武蔵小山が開発されていくなかで心の思い出のソウルフードがまさに思い出の彼方に消え去っていきました。まだまだ沢山あります。エロ映画館の脇にあった甘栗屋さん・・・。パルムのなかにあった甘味処の亀屋2階にはアンノドミニ・・・。団もあったな・・・・。中防の頃よくサボってタバコ吸ってました・・・。

さて、今この瞬間残っているムサコフード!こ瞬間心ときめくムサコフードの巨頭!楼蘭さんの「角煮&はなまき」はムサコフード。永遠に死守していきたい最高グルメ!ほろっほろ角煮を蒸したやわやわやわらか「はなまき」にはさんでかぶりつく幸福感!肉汁が口いっぱいにひろがるうまうま汁。これはムサコソウルフード認定第一号でいいでしょう!ムサコの再開発といっても初めての開発は更に西側に伸びていくという情報が・・・。個性の際立つ個店つくりは多少雑然とした街並みが似合うのです。そして隙間的な場所に偶発的に発生して発展していく。高層ビルは最終的な街並みの光景になってしまうかもです。なんだかいい店が残らない街づくりにならないよう心から祈っています。

武蔵小山温泉 若旦那談

03-3785-8315

東京都品川区小山3-23-9

11:30~15:00(L.O)
17:00~21:15(L.O)
▼清水湯からのアクセス

絶対温感!(武蔵小山温泉雑談系ブログ)


友達のなかでピアノ弾いてる子がいてやけにうまいとおもったら「絶対音感」があるのと、え!なにそれみたいなでもなんだか天才的な才能だとなんだかジェラシーのような羨望のまなざしになって記憶があります。なんたって楽譜がいらない・・・最高です!一度聞いただけでピアノがひけちゃうなんてジェラシー以外ないものでもないですよね。そんな能力いつかはオイラも!なんて思っていましたがその願望はいつまでも叶うことはありませんでした。そんな凡人若旦那。何の天与の才も無いのならただ努力と根性だけで生きていくしかないと割り切っていたのですが、どうやらぼくには他の能力があったようです。

それが「絶対温感」毎日2回お風呂にはいるうちに身についてしまったシックスセンス並みの能力「絶対温感」銭湯では適温といわれている42度。これ、間違いなく当てられます。そして副交感神経がゆるみまくる38度これも当てられます。激熱風呂といわれる45度これも当てられます。・・・え!俺も私もみんな当てられる!誰しももっている絶対温感・・・。ぼくも手から蜘蛛の糸ふきだしたい!

武蔵小山温泉 オフロニスト若旦那談。

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