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(自認)配管洗浄のプロ!清水湯3代目。


公認ではなく自認です(笑)なぜなら掃除に命をかけているから(というより死に掛けたことがあるから。)です。リニューアルオープン前の清水湯は木造造りの銭湯でしたので浴場の壁や天井に断熱材など入っていなくて結露が付きやすく直ぐに黒カビが生えやすい環境だったんです。通常、銭湯では天井や富士山の絵にカビが生えるとほとんどが軽く水洗いをしてその上から、厚塗りするようにペンキを塗っていきます。当然、黒カビは繁殖力も強いですし、厚塗りしたペンキの中で生きていますから、しばらくするとまた一斉にカビが生えてきます。

防護服もっていた風呂屋も相応珍しいと思います。
ちょっとデザインが違いますが、こんな感じです。(送気マスク)

年に一回約30万円かけて壁天井の(富士山絵以外)の塗装を施すんです。で一年も経つと(正直3か月目ぐらいからカビは生えだしてきますが)また塗装するというとっても不経済なことを繰り返すんですね。僕も3代目をついでから一回お願いしたんですが、塗装したては綺麗で気持ちが良いのですが、風呂屋の作りや環境にもよりますが、本当にあっという間にカビがはえてきました。そこで僕が思いついたのは車の修理やサーフボードの修理が趣味だった時期もあったのでエアコンプレッサーを持っていたのでそのエアコンプレッサーを使って送気マスクに空気を送って防護服を着て浴場の天井や壁に薄い塩素をぶっかけてみたら綺麗になるんじゃないかと閃きました。それは見事的中して天井、壁、富士山の絵(富士山は無かったのですがタイル絵の目地等)が綺麗ピカピカになりました。

富士山絵のイメージ図

配管洗浄は自分で出来るように。これが大切です。

経費は塩素代だけですから原液20リットルでも1500円、そんなに使う訳ないので、100リットルの水に500ccほどの塩素剤で数十円、しかも手軽に自分で出来ますし、年3回から4回はしてましたのでいつも綺麗ピカピカ!ただ古い施設でしたのでメッキのはがれた蛇口や、シャワーの金属部分が黒くなってしまうので注意が必要でした。実は、この時、事故が起こりかけたんです。当時、毎回気をつけることは、防護服の外は薄いとはいえ塩素の立ち込めた空間、送気マスクから送られる空気以外は呼吸が出来ない事、(薄いとはいえ塩素を吸入するとしばらく呼吸が苦しくなります。また塩素ガスはそもそも毒ガスですから非常に危険です。)一番大事なのは、送気マスクの空気を送るホースを折り曲げたりしない事。なぜなら、空気が止まって呼吸が出来なくなるから、実際防護服に工夫はしていましたが直ぐには脱げないので折り曲がった空気ホースを探しているあいだ呼吸が出来ないので本当に死ぬかと思いました。今、考えると人畜無害な塩素剤(漂白剤)があればいいのですが(どなたかごぞんじないですか?)、そういう意味では、こんな死に掛けそうになるような事をしてまで掃除に精魂かけていたんだなというのは銭湯のおやじとしても結構珍しい部類に入るといまでも自認しています。そして、最近でも配管洗浄の不備でナントカ菌が出たとかでニュースになることがありますが、これも銭湯の人間であれば配管洗浄は全て自分で出来るようにならないといけない事ですね。

配管洗浄計画からこの銭湯を設計しました。

確かに大変な作業ですが、業者任せになっているとつい作業予定日を忘れたり、最悪、塩素濃度も測らないこともでてくるので常に絶対無事故、絶対安全の銭湯哲学を強固に持っていく事が大切になってきます。品川銭湯組合では年1回の保健所の検査以外に組合独自で検査をします。実は武蔵小山温泉・清水湯は更に独自に何項目の検査を行います。皆さまに安心・安全の天然温泉をご提供するためにこれからも心の緩みが安全の緩みにつながることを自覚して毎日、常に新しい決意で皆様に喜んでいただける銭湯を築いてまいりますので2012年も武蔵小山温泉・清水湯を何卒よろしくお願い申し上げます。

武蔵小山温泉・清水湯3代目談。