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そうだ。銭湯へ行こう。(温泉ブログ)


銭湯すたれば人情すたる、心のルーツを求めていざ銭湯にゆかんとするかなる趣旨の詩が昔の清水湯の真ん中の柱に打ち付けられていました。気にも留めずにいて建て替えの時はそのまま取り壊してしまいましたが、なぜか心の奥の隅にこの詩の一節がいつまでも残っているんです。調べてみたら同じように覚えている方がいるんですね。全文はこんな感じです。

田村隆一作詞

銭湯すたれば 人情もすたる 

銭湯を知らない子供たちに
集団生活のルールとマナーを教えよ
自宅にふろありといえども
そのポリぶろは親子のしゃべり合う場
にあらず、ただ体を洗うだけ。
タオルのしぼり方、体を洗う順序など、
基本的ルールは だれが教えるのか。
われは、わがルーツをもとめて銭湯へ。

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いい詩じゃありませんか、銭湯がすたれてくると、人の情けもすたれてくる、銭湯が昔から心のよりどころとなり、世代を超えて礼節などを育む地域のコミュニティーとなっていたのを、温故知新のおもいで、時代は変わっても銭湯の良さを受け継いで後世に残していきたいと思うんです。この詩ができたのはもう30年以上前のじゃないかと思うのですが、時代は新しい息吹を生み出している可能性もあり、この時代に合った新しい詩が生まれてくることも、銭湯の勢いをかんじれると思うんですよね。温故知新、古きも良し、新しい銭湯の息吹も良し、地域に貢献して、一人一人の客様に喜んでいただける銭湯を築いていくことが、「そうだ、銭湯に行ってみよう」と思っていただけることに通じていくんじゃないでしょうか。新しいお客さまの創出、小さなパイの取り合いではなく、銭湯に行ったことのないお客様を、銭湯LOVEのお客さまに変えていく努力が銭湯経営者に求められているのではないかと感じる今日この頃です。

武蔵小山温泉 清水湯若旦那談。